K.Yさん
さん
高崎経済大学 経済学部
ー出身学校を教えてください。
高崎経済大学経済学部の出身です。
ー現在のご職業と主な仕事内容を教えてください。
株式会社キャリコでデザイナーの仕事をしています。
主な仕事内容は、社内のパンフレットやチラシ、サービスのロゴ、チラシやWebサイトのデザインを作成しています。また、イベントを行う際には、横断幕やステージ装飾といったさまざまなデザインをしています。
ーどんな大学生活を送っていましたか。印象に残っていることがあればぜひ教えてください。
サークルとゼミを特に頑張っていた大学生活だったと思います。サークルは主には、Glee Club(グリークラブ)というアカペラサークルを中心に活動していて、大学3年生の1年間くらい副幹事長として、組織の運営に携わっていました。
ゼミでは、マーケティングや商品開発、プレゼンといった活動をしていました。
自分がやりたいと思ったことを常にやっている学生で、楽しいことに重きを置いていた学生時代だったなと思います。
ー卒業してから気づいた「大学で得た力」はありますか。
傾聴力や人それぞれの考え方を認めようとする力を得られたのではないかと思います。
Glee Clubで組織運営を行っていましたが、当時は部員が140人ぐらいいたので、幹部とサークル員との間に距離感が生まれてしまうことを防ぐため、一人一人と向き合う、名前をちゃんと覚える、学内で見かけたら声をかけるといったことを意識していました。
また、同世代のいろいろな人と関わる機会が多かったので、人それぞれの価値観があるというのを実感しました。人それぞれに正義や正解、優先度があるというのを学んで、“普通”という言葉で主張することを意識的に使わないようにしていました。

ー今の企業で働くきっかけは何ですか。どうして群馬で働いているのですか。
大学生の頃からキャリコの社長である小圷さんと関わりがありました。
これから先、ITや新しいキャリアを築いていきたいなと思っていたタイミングで小圷さんと話す機会があり、キャリコで求められるデザイナー像と自分が目指すデザイナー像が一致したので入社しました。
群馬で働いている理由は、働きやすさと住みやすさを魅力に感じたからです。大学2〜3年生の頃は就活やインターンでよく東京へ行っていましたが、私はパーソナルスペースが広い方なので、満員電車が本当に苦手でした。また、生まれも育ちも群馬県なので、群馬県民の心が穏やかなところを心地よく感じています。
ー実際に働いてみて、どうですか。
フルリモートのためオフィスで働くことがほとんどないので、珍しい会社だなという印象です。社員数が20名弱なので、基本的にはデザイナーの仕事も社長から指示がきます。私自身もデザインを作る上で社長に質問を返すので、幹部との距離が近く、主体的に業務に取り組むことができるところが良いところです。また、上下関係はあるけど堅すぎず、みんな穏やかで優しい人が多いです。さらには、勉強しながら働いている人が多いので、意欲や向上心がある人も多いなと思っていて、いつも刺激になっています。
ー学んだことは働いている環境でどう活きていますか。
人の話を聞く、相手の意図や要望を汲み取ろうとする姿勢は活きているのではないかと思います。また、なかなか会う機会は多くないのですが、社員みんなで集まったときの雰囲気作り、その場に合ったムードを作る、ということを意識しています。サークルの集まりで培った力が、今も同じように活きているのではない
かと思います。
ーこれまでのキャリアで、特に印象に残っている出来事や人生のターニングポイントはありますか。
高崎経済大学からデザイナーというキャリアの選択はあまり多くないと思っています。
ゼミ活動の一環でプレゼン資料を作ったり、サークルでパンフレット作ったりする機会があり、そういったクリエイティブを作ることが好きだと気づいたことがきっかけで、大学4年生の就活時に「デザイナーになる」と決めて独学でデザインの勉強を始めました。自分が独学でどこまで技術が身についているかが見えない中で、新卒で入社したのが看板を製作をする会社でした。すごく印象に残っているのは、初めて自分が作ったものが形となって設置されたことです。実際に私が作ったものが世に出ることに感動しました。ターニングポイントはその出来事にあたるのかなと思います。
ー大きな挫折や悩みを乗り越えた経験があれば教えてください。
悩みは尽きないですね。特に私の働き方は日中に誰かと話すことがほとんどなく、キャリコにはデザイナーは私一人しかいないため、毎日に納得感が持てない時もありました。
ただ、去年から毎月ポスターやチラシなどを定期的に制作する依頼が入り、仕事のリズムがつかめるようになりました。デザインはもちろん、スピード感が求められる案件を担当することで、自分の作業スピードや引き出しも増えました。2、3年前の自分と今の自分を比べたら、「乗り越えたな」という実感があります。
ーキャリアが特殊という中で、大学で学んだことが直接結びつかないという不安もあったと思うのですが、どうやって解決したのですか。
大学でやったことを全面に出して仕事をしているわけではなく、小さい頃から物作りや自分の手で何かを作り上げるということが好きでした。大学生活の中で、プレゼンやスライドといった資料作成を求められることは多く、それが好きだということに就活で自己分析をしているときに気づきました。
もちろん学業でやっていることをそのまま仕事に活かせたら良いとは思いますが、それがすべてではないと思います。不安はもちろんありましたが、やりたいことができた感じです。
あとは大きな要因として、私が就活していたときはちょうどコロナ渦の時期で、ほとんどがオンラインの面接や説明会になってしまい、どの会社に行っても決め手に欠ける状況でした。そこで、手に職をつけたい、自分で何かを作れるようになりたいと思い始め、デザインをやってみようと決意しました。当時は「コロナ渦で、この先どうなるのだろう?」という不安の方が大きかったのですが、がむしゃらにデザインの勉強をしているときは心が楽で、どんどんスキルが上がっていくという実感を得られるスタイルが自分には合っていたのだと思います。このまま決め手に欠ける就職をしているよりも、手に職をつけたいという思いで進めました。
ーこれから挑戦してみたいことはありますか。
当社の新しいサービスである「グンキャリ」「イバキャリ」という群馬県、茨城県それぞれに特化した採用メディアのサイトが公開されたので、そのサービスを通じて企業の方からの相談やお悩み、課題をクリエイティブに解決したいと思っています。
そのために、もっとデザインの幅や質、技術、加えてお客様の話を聞く際のヒアリング力などを高めていけたらと思っています。今までやってきたことを引き続き努力しながら、どんどん自分の成長に繋がる行動をしていきたいです。

ーこれから社会に出る大学生へのアドバイスをお願いします。
一番は、大学生活を目一杯楽しんで欲しいです。大学生活って“人生の夏休み”とよく例えられますよね。在学中の私は、「いやいや、毎日授業もあるし、サークルもアルバイトもあって忙しいじゃないか」と思っていました。でも、社会人になると、“楽しいからやる”“自由に好きなだけ目一杯やる”ということがなかなかできなくなっちゃうんです。だからこそ大学生のうちは、目の前の環境や活動を思い切り楽しみ、真剣に取り組んで欲しいと思います。
それと、ひとつ後悔していることがあります。それは、なかなか身につかない読書の習慣です。社会人になってから本を読む習慣をつけるのはなかなか難しくて…。大学生は自分の時間を比較的自由に使えるので、今のうちに本を読む習慣を身につけておくといいと思います。読書は視野を広げてくれるし、言葉の使い方や表現力も変わってきます。
大学生は自分の時間を柔軟に使えると思うので、ぜひ読書する習慣をつけてください!
ー将来の自分にひと言メッセージを送るとしたら、どんな言葉を掛けますか。
「そんなに肩肘張らなくて良いよ」と伝える気がします。将来の自分にも過去の自分にも言うと思うのですが、何に対しても責任感を強く感じる性格なので、もっと肩の力を抜いてもいいんだよと伝えたいです。今の自分も頑張っているし、それをちゃんと認めて欲しいです。ほどほどに美味しいものを食べつつ、リラックスして頑張ってくださいと声をかけたいですね。
インタビュー後記
今回のインタビューを通して、「社会に出てからどんなことをしたいか」という大きな目的ももちろん大切ですが、それ以上に大学生活そのものを自分なりに一生懸命取り組むことが大事だと改めて感じました。日々の学びや経験に向き合う中で、自分の軸や考え方が少しずつ形になっていくのだと思います。今回のお話を聞いて、私自身も「今この時間をどう過ごすか」をもっと意識していきたいと思いました。
大学での経験は知識や資格だけでなく、人の話を聞く姿勢や場の雰囲気をつくる力といった目に見えない学びも社会で活きていることが印象的でした。また、迷いや不安を抱えながらも自分の“好き”や“得意”に正直に進んでいく姿から、「完璧な道じゃなくてもいい、迷いながら進んでいいんだ」と思えました。「肩の力を抜きながら、自分の歩みを認めて進んでいく」そんな姿勢をこれから大事にしていきたいです。
この記事を書いた人 ✏️
あおちゃん
群馬大学情報学部2年生。群馬県出身。
「気になることは、まずはやってみる!」を合言葉に、学生生活をフル活用中。学生ライターとして、等身大の視点からリアルな情報をお届けします!
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